この記事では折込チラシを効果的に打つためのコツについて、戦略とデザインということをテーマに解説していきます。
現在ではWebが中心になってきてはいますが、田舎の企業や店舗ビジネスを行っている企業にとっては非常に効果的で、2023年でも欠かせない販売促進の一つです。
折込チラシはポスティングチラシよりも配布の手間を省くことができる、人材リソースが少ない企業でも実施しやすい手段の一つでもあります。
折込チラシは、費用対効果をもとに考えた戦略と、効果的なデザインを作ることができれば、非常に効果の高いマーケティング施策にもなります。
当社の飲食店部門でも、この効果は非常に高く、1万世帯に折り込んだだけで、50万円以上の売上に貢献したこともあります。
折込チラシについてこんな疑問はありませんか?
- どんなデザインにしたらいいのかわからない
- 費用がどのくらいかかるのかわからない
- どんな知識や戦略をもって打ち出せばいいのかわからない
このような企業担当者や社長さまも多いことでしょう。
この記事では、折込チラシの効果を高める戦略と、広告をデザインするコツについて詳しく解説します。
最も重要なのは戦略・設計
どのマーケティング施策においてもそうですが、戦略と設計をしっかりと組むことが重要です。
戦略・設計の例としては例えば下記です。
- 競合はどんな訴求をしているのか
- 商品の特徴をどのように打ち出すのか
- 過去にどんな訴求が効果的だったか
- ターゲットの真に求めているのは何か
- KPIをどこに設定するのか
- 配布エリアはどこに設定するのか
などですね。
これらをもとに折込チラシ、またはそれ以外の施策も同時に行っていくわけですが、この戦略や設計をしっかりと組むことが出来れば、あとは安いフリーランスなどに発注するということも非常に効果的な手となります。
逆に、戦略設計を整えていないのに、広告代理店に言われるがまま、とりあえず作った折込チラシは効果がない、そもそも計測できない、単発の費用対効果さえも感覚で捉えることになってしまい、よかったのか悪かったのかすら、わからない状態に陥ってしまいます。
折込チラシの反響率
そもそも折込チラシの反響率はどの程度なのでしょうか。
一般的には0.1〜1%という反響率と言われています。この数字を考えると10000部折り込めば、10〜100人くらいが反応してくれるというふうに捉えることが出来ますね。
これはもちろん、業種やどんな訴求かによって、全く効果が変わってくるものです。例えば飲食店のクーポンなどであれば、反応してくれる方は非常に多いでしょうし、逆に名前のわからない、小さな会社の求人などで言えば、反応が低いことが多いです。
このほかにも、工務店の住宅見学会や美容室のキャンペーンなんかがよく使われたりしますが、おおよそ0.1〜1%の反響率が多くなるでしょう。
折込チラシとポスティングの違い
折込チラシとよく比較されるポスティングとの違いについてもみてみましょう。
ここではポスティングすること自体も業者にお願いする例を見てみます。
折込チラシ | ポスティング | |
配布エリア | 全国エリア可能 | 人口が少ない地域だと 配布できないエリアも |
---|---|---|
ターゲット | 新聞購読世帯のみ | あらゆる世帯に対応 |
配布物の形状 | 新聞にはさめるチラシのみ | 紙媒体・試供品・ノベルティなど |
セグメント配布 | 配布するエリアのみ 選べる | 細かい指定が可能 戸建のみ・事業所のみ等 |
配布コスト | 1枚3~4円程度(折込代のみ) | 1枚3~8円程度 (チラシの場合) |
カバー率 | 40%前後 減少傾向にある | 80% |
おおよそこのような違いがあります。
ここにはデザイン代等は加えていませんが、この表に加えて、デザイン代や印刷代が乗っかってきます。また表を見る限り、ポスティングの方が費用が高くなる印象ですが、配布する行為を自社のスタッフの空き時間等にやってもらったりすることで費用は抑えられる傾向にあります。
当社としては、予算に余裕があれば、折込チラシやポスティング業者に依頼するということがいいと思いますが、月に10万円以下のコストしかかけられないということであれば、チラシをデザイン印刷することだけを業者に依頼し、配布は自社スタッフにしてもらうということも検討すべきと考えます。
それの方がコストが安くなる可能性が高いからです。
ちなみに株式会社LICTでは折込チラシ1万部だと15〜25万円ほどの価格でご依頼していただけます。
この価格には、デザイン代、印刷代、折込代など折込チラシを依頼する上での全てが入った価格となりますので、参考にいただければと思います。
折込チラシの効果を高めるコツ
それではここからは具体的に戦略的な部分とデザインに関して折込チラシの効果を高めるコツについて解説していきます。
売上目標を長期的に考える
折込チラシを行う上で、重要なことは売上を長期的に考えることです。
前述したように、折込チラシの反響率は訴求やデザインによりますが、配布枚数に対して、非常にいいというものではありません。これは広告全般に言えることですが、単発の広告だけで費用以上の効果を得ることは難しいことが多いのが事実です。
だからこそ、一度興味を持ってくれたお客様に対して、どうアプローチするのか、クーポンを持ってきたお客様をどうリピートさせていくのかということも非常に重要です。
また長期的に、折込チラシを出すことによって、認知バイアスの効果もあります。皆さんも何かものを買う時、来店する時、自然と自分が知っているお店、行ったことのあるお店が選択肢に入りますよね。日頃から見ているものは自然と選択肢に入ってくるというものです。
これらのことを踏まえながら、単発の折込チラシだけで考えるのではなく、長期的に考えることが有効的です。
目安としては、1ヶ月に1回〜3,4ヶ月に1回のスパンで折込をしながら、訴求を変えてみたり、リピート施策を改善したりしながらPDCAを回してくことでより効果の高い施策へとつながるでしょう。
当社でも、そのような年間プラン等がありますので、ぜひ検討の際はお問い合わせください。
誰に何を伝えるのか明確にする
次に重要なことは明確なターゲットと訴求についてです。折込チラシでは新聞を購読している読者にのみ配布可能な媒体ですので、年齢的には高めの層に対してリーチすることが多いです。年齢層高めとは言っても、実際は多くの層にリーチできるものです。
3世代の家族が同一の家で住んでいる場合や、40代以降のビジネスマンなど、新聞折込は割と幅広くリーチできています。
実際に私たちもクーポンを配布してみると、多くの層が利用してくれます。またLINE等への登録を促した施策に関しても、一度の折り込みで100人以上の登録を獲得できましたが、年齢層は幅広いことがわかります。
以下は自社の折込をしてから1週間の推移のデータです。
いかがでしょうか。50代以上の方も多いですが、それ以外の年代もかなりいることがわかりますよね。このように様々なターゲットに対しての訴求をすることができるので、ターゲットとそこに対する訴求を明確に決めなければいけません。
上記の企画に関しては、幅広い層へとあえてリーチする戦略だったのですが、目的によってやはり明確な打ち手というものは重要になってきます。
CTAを明確に設ける
3つ目のコツとしては、CTAを明確にするということです。CTAはコールトゥアクションの略ですが、要は何をして欲しいのかを明確に記すということです。
多くの折込チラシを見てきましたが、キャンペーンを打ち出したり、メニューを紹介したりするはいいものの、結局読者に対して、どう行動して欲しいのかを書いていない、あるいはわかりづらいチラシが多いように思います。
クーポンを使って欲しいのか、LINEに登録して欲しいのか、見学会に足を運んで欲しいのか、それを明確に読者に伝えた方が効果は高いです。
広告ではよく言われることですが、3つの『ない』を打破してなければいけません。それが、
- 見ない
- 読まない
- 動かない
見てもらって、読んでもらって、行動してもらわないと、そのチラシの効果は低いわけです。
だからこそ、行動してもらうようにCTAは明確にしましょう。
論理的なデザインにする
さて、次はデザインのコツについての話をしていきます。
一言で言うなれば、論理的なデザインを心がける。これが重要です。
戦略を立てたなら、そのターゲットに対して、見たくなるフォント、字の大きさ、色の使い方が重要です。
レイアウトに関しては、最も訴求したい内容が当然一番大きく目立つようにデザインします。
なんだ、当たり前だと思われる方も多いかと思いますが、実際にデザインが上がってくると、なんとなく見た目が良さそうだからOKとなっているのではないでしょうか。
特に、打ち合わせの段階で、企業が明確な目的を伝えていないと、デザイナーもなんとなくでデザインが進んでしまいます。
デザインの綺麗さもそうですが、あなたの企業を知らない人でも見た時に見たいと思えるか、訴求したい内容は目立つようになっているか、CTAはわかりやすくなっているかなど、伝えたいメッセージに順番をつけていくといいでしょう。
特にデザインは外注する企業が多いかと思いますので、その折込チラシで、何を成し遂げたくて、どんなメッセージをどの優先順位で伝えたいのかを明確にしておきましょう。
そんな中でもいくつか効果の高いデザインのコツをご紹介します。
お得感をアピールする
人間はやはりお得感には弱い生き物です。クーポンや割引など、お得なものは効果が高いです。毎週スーパーのチラシが入ってくるのは皆さんも一度は見たことがあるでしょう。
値段のお得感を全面に打ち出し、多くのメニューを紹介していますね。
特に『無料』は大きな効果があります。無料なら一度行ってみようか、無料なら試してみようかと思うハードルが一気に下がりますよね。
限定感をアピール
これも非常に定番ですが、効果的です。数量や期間など、限定性を打ち出すことで、行動しなきゃと思わされるのが人間です。
宿題をギリギリまでやらないのと、同じで期限が来なければなかなか人は動き出さないものです。数量限定も早く動かないと損してしまうと思えば行動しなきゃと思わされます。
図や画像を用いてわかりやすくする
現代では以前よりも圧倒的にテキストを読まなくなってしまっている人が多いです。そんな中、紙媒体である折込チラシを読んでもらうためにも、多くのテキストよりも、画像でメッセージを伝えてあげた方がわかりやすいです。
表にして一目でわかるようにすることや、お店や会社の雰囲気を伝えるために画像を使ったり、証拠を見せるために数字をグラフとして伝えたり。
飲食店なんかは特にそうですね。商品の良さをテキストで伝えることももちろん大事ですが、ぱっと見で美味しそうとか食べてみたいと思わせる画像の方が目も心も惹かれます。
画像等も綺麗な写真がないのであれば、一度プロに撮影を頼むことも検討すべきでしょう。写真は一度撮影してしまえば次回も使えますからね。
当社でも撮影から依頼をお受けしていますので、お困りの方はご相談ください。
折込チラシは現代でも効果を発揮する
ここまで折込チラシの成果を高めるコツについてご紹介してきました。現代でもまだまだ活躍する広告媒体として折込チラシは存在します。
この記事を踏まえて、あなたの会社・お店のチラシを配布する際に、折込チラシを効果的に活用してくださればと思います。