会社を成長させていくにあたって、最も大事なものは大まかな道筋を示す戦略とそれを実際にどのような動きで進めていくかの設計部分です。
闇雲に施策を打ち出すことはやっている感は出るにしても、効果が出ない、あるいは改善のしようがないということが起きます。
このページでは戦略と設計についてお話ししていきます。
戦略構築
基本的には経営理念を元にどのような会社作りをしたいのかということに基づきますが、要素としては売上をあげたいや採用を強化したい、コストを削減したいなどの目的があると思います。当社では特に売上UPとコスト削減に力を入れています。
少し利益についての一般論を図で説明しておきます。
主に利益とは売上の増大か、費用の削減でしかありません。
それに対して、当社では売上を上げるためのマーケティング施策と、業務効率化や費用の見直しの提案を行って利益を上げることに重きを置いています。
当社のターゲットは基本的に従業員数10~30人程度の小さな企業様であり、小企業の最大の課題は利益を上げることだと思うからです。
まずは利益を上げて、それから人材採用などにコストを割いていった方が効率的であると思うからです。
それを元に当社の戦略について解説していきます。
売上増加よりもコスト削減
当社ではまず売上の増加よりもコスト削減できるところがないかということを考えます。
業種にもよりますが、売上=利益という会社が少ないため、売上を月100万上げても、経費を引いて儲けが10万円しか出ないこともありますし人手を増やさなければいけないこともあるでしょう。
しかしコスト削減であれば、削減できた分は全て直接利益になります。
そして売上を上げるための施策は次の日すぐに効果の出ることはほとんどありません。しかし経費を削減することができれば、その日から利益に直結するからです。
そのため、まずはコストを削減できるところはないかということを考えることが多いです。
現在行っている施策で思ったような効果を出せていない施策はあるか、現在の運用体制は適正かなどを考慮します。
調査・分析
当社では実際の動きを設計する前に、入念な調査・分析を行います。
具体的には以下のことについて考え、調査・分析を進めます。
- 実態調査
- KPI設計
- 市場調査
- ターゲット分析
- 競合調査
- 既存施策の費用対効果
- カスタマージャーニー
- 予算算出(当社のサービス利用時における費用対効果)
- ロードマップの作成
実態調査・要件定義
まずはクライアント様の企業がどのような状態なのかをヒアリングしながら調査を進めていきます。
可能であれば、試算表等を見せて頂き、どこにどのくらいのコストが割かれているのかを調査いたします。ここにおいては非常にセンシティブな部分であり、企業の核となる情報が詰まっているものでもあります。
中にはそんなもの見せるのはあり得ないという経営者の方も多いかもしれません。その場合は口頭でお話を聞かせて頂き、どこにどんなコストが割かれているのかを把握し、この後の戦略の参考にさせて頂きます。
また、業種ごとに参考となる数字というのはありますが、実際の現場で教科書通りの数字というものは中々存在しません。そのためそれぞれのコストがかかっている実態と原因についてもクライアント様よりお話を聞かせて頂きながら調査を進めていきます。
またアナログな業務の中で、業務効率化によって削減できそうな経費やストレスがあるかというのもヒアリングと共に調査を進めていきます。
クライアント様の要件をそれぞれ定義し、それを実行に移すための施策についてミーティングを重ねます。
KPI設計
設計を進める前にどこにKPIを置くのかを設計いたします。
大きな目標である、KGIはおそらくどの企業も売上UPや費用の削減など利益に直結するところになると思いますが、それを達成するための細かなゴールを明確に設定することによってより最終目標への道筋が見え、どのような施策を打ち出すべきなのかを考えることにつながります。
例えば、美容室サロンであれば、来店の顧客数を増やすことだけに注目されがちですが、LINE読者を集めることによって、美容品を販売することができるのであれば、LINEの読者の増加やそこで購入頂く販売数にKPIを置くのも一つの手であるからです。
あるいは飲食店が、チラシを配るにあたり、クーポンの利用枚数にKPIを設定するのか、効果的なエリアを見極め、チラシを巻く枚数にKPIを置くのかはそれまでのマーケティング施策によってきます。
Webサイトであれば、資料請求をされた回数にKPIを置くのか、アクセスしてほしいページへのアクセスなのかによってその後の施策や設計も変わってくるでしょう。
出来るだけ定量的な評価をできるようなKPIを設計していきます。
市場調査
主にその業界、業種の市場の調査を行います。
業種の抱えている悩みや、成功例、そもそもどんなユーザーが利用しているのかということを踏まえて、ウェブ上や社内から情報を収集し、調査を行います。
ターゲット分析
ターゲットを誰にするのか、またそのターゲットの本当の悩みや欲求はなんなのかについて分析していきます。
ターゲットを分析するにあたり、web上の意見を調査したり、SNSなどから情報を収集することもあります。
市場調査と合わせて、企業が狙うべきターゲットはどこなのか、またそのターゲットの真意はどこなのかのデプス調査を行います。
競合調査
企業の同業者の調査を行います。
どんなマーケティング施策を行っているのか、どんなポジショニングをとっているのかなどを分析します。基本的にはウェブ上から情報が元となるため、Webサイトのコンテンツや機能調査やデザインを調査することが多いです。
その他、クライアント企業様からの情報も調査の材料となります。
競合調査を深く行うことは必須事項ではありませんし、うまく機能しない場合もあります。
競合がいない商材であったり、競合サイトが陳腐化して機能していないなどがあり、参考にならないことがあるためです。
必要がない場合最小限に抑える、または行わないということもあります。
既存施策の費用対効果
既存施策の費用対効果が効果的に働いているかをクライアント様にお聞きしています。
とりあえずやってみているけどいまいち費用対効果があっていないなどの施策はよく起こっているのが現状です。
小さな企業の社長様であれば、引き際の判断材料に乏しかったり、本当のところは背中を押して欲しいと言ったこともあるからです。
私たちはクライアント様の企業に価値があると思ったことは正直にお伝えするようにしています。
カスタマージャーニー
顧客がどのような順路で購入まで至るのかのカスタマージャーニーを制作いたします。
カスタマージャーニーは企業目線のものになりがちですが、当社では顧客がどのような行動をしてその結果クライアント企業にたどり着くのかというヒーローズジャーニーをベースに考えます。
ターゲット(ペルソナ)を設定した後にそのペルソナがどのような生活を送っているのか、その生活の中で、どのように企業のサービスにつながっていくのかを考えます。
これまではAIDMAやAISASなどのフレームワークを用いて作成することが主流でしたが、それでは企業側の目線で最初から企業のサービスにたどり着くことを前提に考えてしまいます。
そうではなく、ペルソナになりきった生活を考え、その途中に企業のサービスがあるという認識の元、カスタマージャーニーを作成していきます。
カスタマージャーニーは流入経路が増加した現代では非常に重要度が増しています。
例えば、Facebook広告とGoogle広告を同時に出し、どちらの結果が良かったかだけでは判断はつきません。Facebook広告は結果が悪くても、Facebookで認知をし、その後指名検索でGoogle広告からコンバージョンしているケースは往々にして起こりえます。
このように複数のコンバージョン経路を勘案し、カスタマージャーニーを作成することは非常に重要となっています。
予算算出
クライアント様が当社のサービスを利用した結果、どの程度の予算がかかり、その結果どの程度のリターンを得られるかを算出いたします。
当然、定量的に測れるコストやコンバージョンの数字が中心にはなりますが、定性的な部分のメリット・デメリットについてもお話しさせて頂きます。
定性的な部分に関しましてはKPIを設定することが非常に難しい部分になりますが、それを達成するための成果物や施策に対して予算を算出致します。
ロードマップの作成
当社のサービスを全体を通してどのようにロードマップをたどり、どのような最終目標を達成するのかを図式化したロードマップを作成いたします。
ロードマップはKPIを重視して目標・目的ベースのものとなるので、より会社作りに直結する部分であると言えます。
最終目標のために、いつまでにどのくらいの数字目標を達成すべきなのかを具体的に示すことで進捗度合いを可視化することができます。
設計
次に設計部分に関してご説明していきます。
ここまでで練ってきた戦略を元に実際の動き出すための設計を行っていきます。
実際の設計においては多角的な視点を持って進められますが、ここでは共通している項目について解説していきます。
マーケティング設計
マーケティングの部分、いわゆる売上UPを軸に推進するものに関してです。
当社では主に以下のマーケティング設計を実施しています。
- サイト構造設計
- コンテンツ設計
- 機能設計
- デザイン設計
- CMSの選定
- 配布方法・エリア設計
サイト構造設計
Webサイトを作る場合にはどのようなサイト構造にするのかを設計していきます。これをすることで詳細な見積もりやスケジュール管理を行うことができます。
サイト構造はコンバージョンポイントや必要なコンテンツ、カテゴリ構造などを元にどの程度ページ数が必要なのか、どんな機能が必要なのかなどを踏まえてサイトマップを設計していきます。
コンテンツ設計
戦略で練り上げたものに沿って、目的に必要なコンテンツを設計いたします。
『コンテンツイズキング』や『コンテンツイズカレンシー』と言われるようにコンテンツは非常に重要な要素となります。
また会社の思いや事業概要、取り組みなどを正確に伝えるべきことも重要な要素であると考えます。
どの程度コンテンツを作り込むのかは予算との兼ね合いもあります。
ほとんどの企業の場合、限られた予算のなかで作られるものなので、なんでもかんでも作るわけではなく、本当に必要な要素を抜粋してコンテンツを制作することも重要だと考えています。コンテンツの見出しレベルまで落とし込みコンテンツ設計を行います。
機能設計
Webサイトを作るにあたっては、どのような機能を搭載するかについての設計を行います。
お問い合わせフォームや資料請求フォーム、クライアント様の完成後の運用のためのカスタムフィールドなどの機能を設計いたします。
ここではサイト構造を設計した後に、その必要な機能についての詳細を設計していくことになります。
紙媒体を作る場合、クーポンなどをつける場合や配布方法などを設計します。紙媒体はコンテンツを入れられる枠に限りがあるものなので、コンテンツ設計と同時に考えることが多いです。
デザイン設計
戦略を元にどのようなデザインで進めていくかを設計いたします。
トンマナの定義や、表記の統一、レイアウト、フォントなどを定義していきます。
これを元にあらゆるマーケティング媒体のデザインの基礎を設計いたします。
CMSの選定
クライアント様に必要なCMSを選定いたします。
基本的にはwordpressを用いることをお勧めしていますが、小規模のtoCビジネスなどは費用対効果の合わないWebサイトになりがちです。
そのため、まずは必要かどうかというヒアリングを元に、必要である際にも、費用対効果が合うようなWixのようなCMSを用いることもあります。
CMSはそれぞれにメリット、デメリットが存在するため、最適なCMSを選定することで費用対効果をよくすることにつながります。
業務効率化施策
業務効率化や生産性向上を目指す上で、ITツールの導入を考えている企業担当者の方も多いのではないでしょうか。これらは、現状の業務の流れを確認し、要件定義を進めていく必要があります。
これによりボトルネックはなんなのか。また効率化した結果コスト面とメンタル面どちらにどのように作用するのかを確認しながら設計を実行していきます。
具体的には多くのパターンが存在するため、明記することは難しいですが、ここでは大きくどのようなパターンがあるのかをご紹介していきます。それぞれで企業にあった設計を行っていきます。
スプレッドシート
今までアナログで行っていた業務をスプレッドシートに落とし込むことによって効率化できるパターンです。
例えば、請求書の発行や、見積もりの作成、賃金台帳などの事務処理の中でかなりの行数の入力があった場合に自動入力できる場合です。
現在でも使っているものはある企業様はあるかもしれませんが、Google Apps Scriptなどを使い、一度に多くの請求書を作成したり、他のツールとの連携をすることで別々だった業務フローを一元化できることもあります。
誰でも使えるフォームの導入
社員が全員がスプレッドシートを使える能力がなくても誰でもアンケート形式で答えるだけでスプレッドシートに記入できる方法です。
売上の報告や、日報、出退勤など誰でも自分のスマホで作業できるフローに変えることにより、今まで紙にかいて全て手打ちしていたものが、電子化され、自動で計算されたり、社内コミュニケーションの中で見える化することができます。
また昨今でのリモート活動においても全て電子化されるので、非常に効果的に働くこともあります。
労務管理ツールの導入
労務管理ツールはここ数年で非常に人気の出てきたツールの一つです。
給与明細や源泉徴収票を電子化することにより、事務所や店舗が複数ある場合にも役立ちます。また過去の給与明細等を欲しいと言われた社員に対しても、全てデータとして残っていますし、社員自身のスマホで過去データを確認することができるので、労務トラブルの軽減にもつながります。
また雇用保険や社会保険等の電子申請を行えるものもありますので、総務の実務が劇的に改善します。
コミュニケーションツールの導入
これ単体で導入することはありませんが、上記に挙げたようなツールと共に導入することがあります。
コミュニケーションはプロジェクトを進める上では非常に重要な役目を果たします。
また他のツールと連携することにより、進捗管理がスムーズに行えたり、情報の共有にも役立ちます。
また従業員でのスコープを管理できるツールもありますので、従業員へのコミュニケーションを1つのツールでおこなることができます。
マーケティング施策を効率化するためのツールの導入
マーケティング施策を効率化するツールは具体的にはMAツールや公式LINEの導入です。
チラシを配りを永遠とするには骨が折れてしまいますが、LINE読者等に集めることが出来れば、一つのテキストで一斉に配信することができる効率化ツールでもあります。
また資料請求からのオートメーション配信を活用することによって、お問い合わせの確率を上げることに役立ちます。
現在ではサイト上のフォーム機能もMAツールと連携して作ることも多いので、マーケティング施策の機能設計と連携して検討します。