Webサイトが想定よりも成果があがらないという時に改善するというのは非常に重要なことです。とはいえどのように改善を進めていけば良いのかわからない方も多いのではないでしょうか。
サイト改善を効果的に行うことで、アクセスの増加、コンバージョンの増加、ひいては企業にとって売上、採用増加につながる施策となるため、重要なマーケティング施策の一つでもあります。
効果的なサイト改善を行うには、適切な知識と施策の実行が必要です。そこで、本記事では具体的なサイト改善の手順を詳しく解説していきます。
読み終わる頃には具体的に何をしたら良いのかが明確になると思いますので、ぜひご参考ください。
株式会社LICTでは、貴社が抱えるビジネス上の課題を分析したうえで、最適な集客施策をご提案いたします。ご提案から実行支援まで一気通貫して対応いたします。
ご提案内容にご納得いただいたうえで支援を実行いたしますので、お気軽に現状の課題をご相談ください。
Webサイト改善で重視したい指標
webサイトを改善するためには現状把握が必須です。当然サイトのデータ分析を行うわけですが、見れる指標は数多く存在します。その中でも重要な3つの指標についてご紹介します。
有効セッション数
1つ目は有効セッション数です。『有効セッション』は弊社がオリジナルで使っている言葉ですが、Googleアナリティクス4で確認することができる、『エンゲージメントがあったセッション数』のことです。
簡単にいうと、サイトをちゃんと見てくれてた回数という指標です。
サイトのPV(ページビュー)やセッションというのは単純に1ページ見られると、1というカウントをしますが、中には誤クリックをしてしまい、すぐに離脱してしまう人やスパムなどで価値のないセッションが生まれることがあります。具体的には5秒以下で離脱したセッションです。
このセッションを除いたセッションが『エンゲージメントがあったセッション』という指標として記録されています。
弊社では少し長い指標の名前なので、『有効セッション』という言葉で表現しています。
価値のあるセッションがどれだけあったかというのはサイト改善していく上で非常に重要な指標となります。
コンバージョン数・率
2つ目の重要な指標はコンバージョン数・率です。コンバージョンはサイトによって様々ですが、基本的にはお問い合わせや購入など売上に直結する行動が起こった時にカウントする指標です。
具体的には、フォームのサンキューページに到達するということをカウントすることが一般的なコンバージョンです。サイトによっては小さなコンバージョンをカウントする場合もありますが、ここでは割愛します。
サイト改善をする上で、最も重要な指標であることが多く、売上や採用に直結するため、第一に考えたい指標です。
フォーム到達数・率
3つ目の重要な指標はフォーム到達数・率です。コンバージョン数・率が最も重要ということはお話ししましたが、そのコンバージョンを増やすためにはフォームに到達してもらわなければいけません。そのため、どのくらいフォームに到達しているのかは重要な指標となります。
サイトによっては、お問い合わせフォームや資料請求フォームなどフォームは多岐に渡りますが、コンバージョンと合わせて、どこをどのくらいの目標とするのかを明確にしたい指標となります。
2つのサイト分析ツール
サイト改善する上で重要な指標がわかったところで、どのようにサイトのデータ分析をすれば良いのかをご紹介します。
上記でご紹介した、サイト改善の重要指標に合わせて、その他の大事な細かな指標などもありますので、合わせてご紹介したいと思います。
まずは2つのツールを使ってサイトを分析していただければ十分かなと思っています。さらに分析するとなったら有料のツールも使えるのですが、ある程度の指標はこれから紹介する無料の2つのツールで十分分析できますので、参考にしていただければと思います。
Googleアナリティクス4
1つ目のツールはGoogleアナリティクス4(以下GA4と略して表記します)です。有名かつ定番のツールのため、すでに使われている方も多いかと思います。もしもまだサイトと連携していないという方は、弊社にお問い合わせいただければ、簡単に導入することが可能です。費用も1万円前後と安いケースが多いです。
GA4では具体的に以下の6つの指標を確認してください。
- 有効セッション
- コンバージョン数
- フォームページのセッション
- 各ページごとのセッション
- 流入経路
- ユーザー属性
これらを元に、サイト改善に役立てることができます。コンバージョンの計測に関してはタグ設定が必要となり、GA4を導入する時に設定が必要となるため、タグが設置できているかも確認すべきポイントです。
もしもコンバージョンが設定されていない、GA4の見方がわからないということであれば、お気軽にお問い合わせいただければ、無料で診断させていただきますのでお気軽にお問い合わせください。
サーチコンソール
2つ目はサーチコンソールです。こちらも非常に有名なツールとなっていますので、すでにサイトと連携している企業がほとんどではないかと思います。
サーチコンソールでは以下の指標を確認してください。
- 流入キーワードと検索順位
- インデックスされているページ
- 被リンク
- SEO上の問題
これらを分析することで、改善に役立てることができます。最後のSEO上の問題だけ、少し抽象的なので、ご説明しておくと、サーチコンソールを使うことで、記事のカニバリゼーションや、リンク切れなどを確認することが出来ます。
これらはGoogleがSEO上良くないとされている状態のことですが、それらを確認することが可能です。
サーチコンソールでは主に、SEO対策面での分析をしやすいようになっているため、流入が少ない、自然検索から流入を獲得していきたいとお考えの場合は特に重要になってきます。
サイトの分析方法についてには下記の記事でも詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
サイト改善の具体的な6ステップ
さて、それでは具体的にサイト改善の具体的な7ステップについてご紹介します。参考指標等もありますので、ぜひご活用ください。
1.自社サイトを分析し、データを可視化する
一つ目は自社サイトの分析をしてデータを洗い出すことです。これはここまでもお話ししてきましたが、GA4とサーチコンソールを活用して洗い出してみてください。
2.サイト改善点を特定する
2つ目はサイトの改善点を特定することです。改善点を特定することが難しいという方も多いかと思いますので、参考となるイラストをご用意しました。もしもどこを改善すればよいのかわからないという方はぜひ下記のイラストをご参考ください。
3.原因の解決策を模索する
サイトの改善点が特定できたら、その解決策を模索していきます。
大きくは流入があるか、コンバージョンはどうかという大きな指標が元になりますが、先ほどの『サイト改善点を特定する』の画像から大枠の解決策は判断できるのではないかと思います。
具体的な施策は各サイトのデータから解決策を模索します。
ここでは2つの例をあげますので、ご参考ください。
例1)流入が足りていないので、流入増加施策を実行
サイトに最低限必要なページ10〜20ページほどしかなく、流入が足りていない状態。
施策1:SEO対策による長期的な自然検索流入の増加
施策2:新規でランディングページを作成して、Google広告に出稿して短期的な流入を獲得する
例2)月間アクセス2000、コンバージョン0
自然検索やSNSからアクセスは一定程度あるが、そこからお問い合わせのコンバージョンに至っていない状態
施策1:新たなコンバージョンポイントとして資料請求を設ける
施策2:資料請求フォームへのCTAを関連記事に設置する
施策3:トップページのファーストビューに資料請求フォームとお問い合わせフォームのCTAを設置
CVRの改善方法については下記でも詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
→WebサイトのCVRを改善する施策14選|分析方法から具体的な実践方法を解説
4.解決策の優先順位を決める
解決策をあげたあとはどの施策から実行していくのかの優先順位を決めます。優先順位の決め方に関しては、以下を参考にすると良いかと思います。
- 効果反映が早そうな施策
- すぐに実行できる施策
- プロジェクト管理シートの作成
1つ目の効果反映が早そうな施策は、その名の通り実行することで、すぐに効果を得られやすい施策です。例えば、CTAを増やすことや、ファーストビューを変えるなどの施策です。
2つ目のすぐに実行できる施策に関しては、タスク管理の要素が入っています。すぐに実行できることはさっさとやってしまおうということで優先順位を高めています。
3つ目のプロジェクト管理シートの作成に関しては、施策が長期的なものが該当します。例えば、SEO対策のように記事を増やしていくということであれば、キーワード選定、記事構成の作成など、様々なタスクが生じてきます。いつ、誰が、何をするのかを計画的に行えるようにプロジェクト管理シートを作成して、実行できる体制を整える必要があります。
5.解決策を実行する
ここまできたら、あとは順番に解決策を実行にうつしましょう。
実行するにあたって、知識やリソース、資源的な状況もあるかと思いますので、優先順位の段階から勘案しながら実行を進めていくことが重要です。
6.実施した施策の効果測定とさらなる改善策を模索する
6つ目は実施した施策の効果測定を行います。
施策の効果測定に関しては、セオリーを言えば、一つの施策ごとに効果測定することが望ましいですが、アクセスがそこまで多くない場合は、効果測定することにもかなりの時間を要してしまう場合があります。どの施策をどの時間軸で行うかはあらかじめ決めて効果測定もセットで行うようにしましょう。
あとはPDCAを繰り返していくのみです。
Webサイトは多くの要素が複雑に絡み合っているため、難しく、施策も多岐に渡ることが多いです。それぞれのサイトに合わせて、随時改善策を実行へと写していきましょう。
サイト改善事例
ここからはより具体的に、サイト改善の事例についてもご紹介していきたいと思います。
美容院サイトの事例
1つ目は美容院サイトの改善事例です。店舗ビジネス全般でも使える要素があると思いますので、参考にしていただけると幸いです。
サイト改善前
この美容院サイトは、すでに『エリア✖️美容院』というキーワードで上位を獲得し、すでに自然検索や、SNSからの流入があるような状態でした。
主な課題としては下記です。
- 必要コンテンツが足りていないためコンテンツを拡充したい
- LINE読者増加のため、LINEへの導線を確保
上記のような課題だったため、下記の施策を実行しました。
- 主要なメニューの詳細ページの作成
- LINEへの適切なCTAの配置
- コンテンツ増加のため、適切な導線と可読性の高いデザインへの変更
サイト改善後
実際にサイトを改善した結果以下のような改善が見られました。
- オプション追加による顧客単価の向上
- LINE登録者が毎月5人前後増加
また相関性は定かではありませんが、月毎に売上増加や最高売上高を記録するなどの結果も報告いただきました。
BtoBサイトの事例
2つ目の事例はBtoBサイトの事例です。
BtoBの場合、商材単価が高い傾向にあり、サイト改善における費用対効果が高い傾向にあるため、参考になる点も多いのではないかと思います。
サイト改善前
サイト改善前は、BtoB企業によくありがちな、10ページ程度のサービスサイトという感じで、アクセスは月に数十件という程度でほとんど機能していない状態でした。
主な課題としては以下です。
- 長期的に活用できるサイトとして自然検索を増やしていきたい
- サイトからコンバージョンが生まれるサイトにしたい
- デザイン面で気になる部分があったので、部分的にデザインを修正したい
- コンバージョンのタグの設置がされていない
上記のような課題だったため、下記の施策を実行しました。
- SEOコンテンツの拡充
- SEO内部対策
- SEO外部対策
- SEOコンテンツ作成のフロー構築
- コンバージョンまでのCTAの最適化
- デザインの部分修正
- 各種タグの設置
サイト改善後
実際にサイト改善を行った結果、下記のような結果を得られました。
- サイトのアクセスが月間200程度まで向上
- サイト運用体制の基盤が整備
大きな結果ではありませんが、長期的にサイトをしっかり運用することを念頭に、SEO対策の基盤が整いました。
これにより、少しづつではありますが、サイトのアクセスが増えることと、それに伴い、コンバージョンにつながるサイトに改善されました。
サイト改善における相場と施策
Webサイトを通じて、大きな成果を上げるには、300万〜1000万円ほどのコストがかかることが多いですが、そこまでの予算をさけない場合には、基盤の構築とできる施策は内製化してサイトを成長させていくことも一つの手段です。
また広告を用いて、短期的な売上、利益を創出し、その利益をさらに長期的な施策に割り当てていくことも王道の手法として知られています。
会社の考えや、現在の状況から最適な戦略構築、施策の実行が重要です。
まずは、本記事を参考にサイト改善に取り組んでいただき、必要だと感じた場合には外注をうまく取り入れていきましょう。
株式会社LICTでもサイト改善についての無料相談をしておりますので、お気軽にお問い合わせください。