今日はいちぶのらーめんのことについて少し記事にしておきたいと思ったので、書いていきます。
元々、僕は18の頃かららーめんにサラリーマンとして勤め始めて、自分で個人事業として始めたのが21歳の時です。
2021年現在の僕は29歳なんで、らーめん歴でいうと10年以上ということになる。
正確にいうと15の時からラーメン屋でバイトしていたので、そこから考えると、もう少しで15年になるのだなとしみじみ思ったりする。
まあそんなこんなでずっとらーめんには携わってきたんだけど、麺、スープ、たれ、トッピング、どんぶりなどなど、らーめんを提供するにあたってのことは本当にたくさんのものに触れてきたし、考えてもきたし、試してみることもした。
ここで一応結論を言っておくと、今のいちぶのらーめんは引き算をした結果だ。そう、よくいう、
Simple Is Best
みたいな考えになったわけだ。重要な材料のみに絞って、いらんことしないっていう作り方。だから材料も他の店と比べてもかなり少ないと思う。
よくあるところでいうと、お腹がめっちゃ減ってるのに、フレンチ料理みたいに、何が入ってるんだかよくわからんけど、複雑な味のソースが肉にかかってるみたいなものってそんな食いたくならんよねっていう。
それよりもいい感じに肉焼いて、焼肉のたれくれやって思うみたいな。
それか塩胡椒だけにしてみたいなね。
結局のところ、腹減った時にしょっぱくて甘くて油っぽいものが美味しく感じてしまうっていうことが多いよねって思うわけです。
そりゃ僕が庶民育ちなので、そう思うところもあると思うけど、とはいえらーめんというB級グルメは庶民の食い物だからそっちの方が美味しいと思ってくれる人も多いと思って作ってます。
まあざっくりいうとこんなイメージなんですが、イメージだけ言われてもこれを見てくれてる人も何も感じないと思うんで、もう少し詳しくお話ししていきますね。
これを読み終わった頃には、
『いちぶのらーめんは〇〇だから美味いんだよなー。これだけ〇〇なのはなかなかないよ!』
って知ったかぶってドヤれるようになるんで、ぜひこの続きも見てみてください。
今回は全部のらーめん細かく説明しても結局なんだっけってなると思うので、圧倒的人気の醤油らーめんに絞って話をしていきますね。
おうちらーめんとお店のらーめんって何が違う?
まず大前提なんですけど、おうちで作るらーめんとお店のらーめんって何が違うのってところを少しだけ触れておきますね。
これにはいくつかあるのですが、最も大きな理由は設備の問題です。
スープを作るためのコンロをスープレンジというスープ専門のコンロを使うのか、家庭用のコンロを使うのか全く味が変わってきます。
それから、うちのらーめんもそうですが、大体スープを煮る時間が20時間くらいです。これをご家庭で再現するのは徹夜でないと無理ですよね。
あとは仕入の素材の問題でしょうか。などなど、家庭で本格的ならーめんを作ろうと思っても実は細部にお店とは違う部分だったり、真似することが難しいことが多々あるんですね。
この辺がおうちでラーメンを作るのか、お店で作るのかの最大の違いかと思います。もっとリアルなことをいうと、家で食べるらーめんなのか、スープの香るお店で食べるのか。
仮に同じ味だったとしても感じ方が変わってくるので、やっぱりお店で食べるラーメンは一味も二味も違うなと思うところでしょう。
らーめんの構成
次はそもそもらーめんって何で構成されているの?ってことも一応お話ししておきますね。
らーめんは主に以下のもので構成されます。
- スープ
- たれ
- 油
- 麺
- チャーシューなど盛り付け
主なもので言うとこの5種類の構成から成り立ちます。
まずスープってのはみなさんが一番連想されるであろう、水に豚骨だったり、鶏ガラだったり、野菜や昆布などを入れたいわゆる『出汁』のことです。スープは基本的には塩分がほとんど入っていないことが多いので、たれと合わせることでらーめんの味になるわけです。
そしてたれはというと、醤油とかみそとか、塩とかとういう味を決めるやつです。タレの方にも旨味成分を持つ材料を入れて、美味しいたれに仕上げること多いです。お店に寄ってはタレが生醤油なんてお店もあったりしますね。
次は油です。大抵のラーメン屋は何かしらの油を使っています。一番多いのはラードですね。豚の油です。お店に寄って、それが香味油だったり、牛脂だったり、背脂だったり。これも多種多様と言ったところ。
油は結構重要な要素で、少ない量で簡単に味を変えることが出来るので、ラーメン屋にはなくてはならない存在とも言えるかも知れない。と言うのも、材料費を抑えるために濃度がペラッペラなスープでも油にしっかりと味があれば、それっぽいラーメンを作れてしまうからなんですね。
もちろん濃度が低いスープをディスってるわけでもなんでもなくて、美味しいと思う人がたくさんいれば、需要があると言うことだから問題はない。
素人は意外にスープとタレに目が行きがちなんだけど、味を決める上で実は油もかなり重要な要素なので、今まであなたが食べたラーメンも油によるうまさを感じたことは大きいのではないかと思う。
次は麺。これは言わずもがなかと思います。中華麺ですね。中華麺ってのは基本的に『かんすい』と呼ばれるものを小麦粉と混ぜ合わせたもののことを言います。うどんは小麦粉と水なので白いですが、中華麺の場合はかんすいが入っていることで黄色くなるんですね。
最後は盛り付けですね。盛り付けも実は味や感じ方に大きく影響するので、気にし始めると、いくらでもバリエーションを考えることができて、味を違うラーメンをいくつも作れてしまうんですけど、まあ皆さんもこれまでたくさんのラーメンを食べてお店によって具材が違うのも認識していると思うので、詳しい説明は入りませんよね。
さて、大体らーめんのことがわかったところで、いちぶのらーめんについて話していきましょう。
いちぶのらーめんの美味さの秘訣とは
いちぶの醤油らーめんのスープは豚骨と野菜のみで作られます。
豚骨と香味野菜をふんだんに使ってじっくりコトコト弱火で20時間。豚骨と野菜といっても、10種類もいかないほどの具材しか使っていません。
煮干しとか鰹節といった魚介系の出汁は一切入っていないのです。
20時間コトコト弱火で煮ることによって、上品な濃厚なチンタンスープが出来上がります。チンタンスープと言うのは弱火でコトコト煮て、透き通ったスープのことです。
補足ですが、強火でごとごと煮ると骨の動物油脂と水が乳化して混ざって白く濁るのです。
どちらももちろん味に違いが出ますので、いちぶでは透き通った上品な味を出すためにチンタンスープを作っています。
以前は魚介系や鶏ガラ等、本当にたくさんの材料を試してきましたが、結局豚骨のチンタンスープと言うところに行き着いたんですよね。
これが最もすっきりとした旨味と油分と甘みと、雑味のない感じになる気がしています。
タレに関しては昔からの手法である、チャーシューを煮た煮汁がそのまま醤油のタレになります。
チャーシューは香味野菜と一緒に3~4時間ほど煮込み、チャーシューの旨みをしっかりと含んだ美味しい醤油だれになります。
一度タレを冷やし固めることで豚肉から出た油を固めて綺麗に取って、旨みの強い継ぎ足しのタレになっています。
油はラードのみを使用しています。
ラードの中でもかなりグレードがあるのですが、その中でも臭みがなく、ほどの良い脂身を舌に感じる品質のいいものを使用し、豚の成分を足しつつ、嫌にならない油っぽさを足しているんです。
昔は香味油とか色々試したことあったんですが、結局純粋なラードに落ち着きましたね。
麺は中太の太さの多加水麺です。多加水麺はその名の通り、水を多く使って仕上げられています。そのため、ツルツルとした食感とほどよりもっちり感が味わえるんですね。
逆に博多豚骨とかの細麺は低加水麺が主流なんですよね。表面はざらざらしていて、食感もボキボキしているみたいな。だからこそバリカタとか出てきたりするんですね。あれはあれでスープとの相性もよくて伸びづらいと言う特性があったりして美味しいのですが、うちのスープには完全に多加水麺が合うと思ってますので、それを使ってます。
盛り付けはシンプルにチャーシューとネギとメンマと小松菜とナルト。
特にメンマは太いタイプのメンマで歯応えがしっかりして、スープに負けずに主張してくる感じで好評いただくことが多いです。メンマには大量のブラックペーパーを使ってらーめんに全体のアクセントとして位置付けていたりします。
あとはすりおろした甘みのある国産生姜を入れて、辛くないけど生姜の味がしっかりすると言った味わいになってます。
大体いちぶの醤油らーめんはこんな感じとなってまーす。
僕も15年くらいらーめんに携わっているので、幾度となく足し算のらーめんを作ってきたし、それはそれで美味しいと言う時もあったりするのですが、日常的に食べたいらーめんって考えた時に、すっきりとして旨みの強い、程よく油っぽさと甘みとしょっぱさのあるそんならーめんを目指したら今のシンプルな材料の形になりました。
もしうちのらーめんがうまいと思ってくれている人は豚骨と野菜の組み合わせた雑味のないすっきりとしたスープがお好きなんだと思います。
だからこんなにもし彼女と食べにきたら・・・
『いちぶのらーめんは豚骨と野菜しか使ってないのにここまで旨味が強いから美味いんだよなー。これだけ雑味のないらーめんはなかなかないよ!』
と、ドヤってください!笑
いちぶの人気No.1らーめん
もう少しだけいちぶの醤油らーめんのお話をさせてもらうと、最近では、醤油らーめんがダントツの人気No.1メニューとなっていました。
たまーにどのくらい出数が出てるとか確認したりするんですけど、この前たまたま見てみたら、もうダントツでしたね。
それに続いて背脂らーめんNo.2でした。今のいちぶの感じでいうと醤油らーめんと背脂らーめんで7~8割のお客さんを占めますね。
恐るべき醤油らーめんの強さを実感いたしました。
最近は新潟県の地域情報誌としては誰もが知る『komachi』さんにも取り上げていただいて、嬉しい限りです。
それでは今日はこんなところで、また違うメニューについても解説記事を出そうかなと思うんで、楽しみにしていてください。
それでは。