本記事ではホームページ制作会社の選び方についてご紹介します。
具体的には以下の悩みを解決できます。
- ホームページ制作会社を選ぶポイントは?
- ホームページ制作会社の失敗しないための注意点や事例を知っておきたい
- ホームページ制作を依頼する具体的な流れは?
- あとで見返すためのチェックリストがあるといい
上記の悩みを解決し、適切なホームページ制作会社を選べるように内容を作っていますので、ぜひご参考ください。
ホームページ制作会社選びが難しい理由
まずはじめになぜホームページ制作会社選びが難しいのかという話をさせてください。現状ホームページ制作会社は全国に数万社あると言われています。また、ホームページという無形商材であるがゆえに、規模や依頼先によって、料金の幅が広い商材でもあります。
そして、システムやマーケティングとも関わっていることから、表面上は同じように見えるホームページでも料金の差が2倍以上になることも珍しくありません。
これらの3つの理由から発注者側がある程度の知識が必要であることや、有象無象の制作会社から選定する工数が複雑化しているように思います。
私自身、ホームページを作っている側ですら、自社のホームページを作って欲しいと依頼するとしたらどこだろうとも思うほどです。
本記事では、難しいホームページ制作会社の選び方のポイントや失敗事例をお伝えし、できる限り、失敗を減らすにはどうしたらよいのかというテーマでエッセンスをお伝えしたいと思います。
ホームページ制作会社を選ぶポイント
ホームページ制作会社の選び方を検索すると、多くの記事には、『選ぶポイント〇〇選』のようなポイントをただ羅列したような記事が多く見受けられます。
確かに抽象的なポイントを抑える上では、良いかもしれません。しかし私自身、身銭を切って発注をする経営者が見るには不十分だなと思う要素や、わかりにくい、もっとカテゴリ化された方が情報が整理されて要点を抑えやすいのではと考えました。
例えば、実績が大事だと書かれていても、どんな実績で判断すれば良いのか、誰が担当したのか、自社とのバックグラウンドの違いはなんだろう。など疑問に思う点は多々あることでしょう。
当然、WEB上の情報だけではなく、最終的には資料を見たり、相談をしたりという形で判断をしていくわけですが、WEBコンテンツの見るべき点、商談で見るべき点というリアルなケースで言及している記事はほとんどありませんでした。
そこで本記事はわかりやすく3つのカテゴリに分けてそれぞれのポイントをご紹介します。WEB上の情報のどこを見れば良いのか、また資料請求や、対面での相談をした際にどんな軸で見れば良いのかということについて書いていこうと思います。
3つのカテゴリは以下です。
- マーケティング
- 実績や評判
- コミュニケーション
それぞれのカテゴリごとにさらに重要なポイントをそれぞれご紹介していきます。
マーケティングが考慮されているか
1つ目のホームページ制作会社を選ぶポイントはマーケティングが考慮されているかです。ホームページ制作ができる会社は無数に存在していますが、マーケティングの知見をもち、必要なホームページはこれではないかと提案してくれる会社はそこまで多くありません。
現在ホームページはノーコードで素人でも簡単に作れる時代です。作るだけであれば、自社のスタッフにノーコードで作ってもらうことはそう難しいことではありません。
そのため、とにかく安く作れる業者がたくさん存在しています。現在ではほとんどの企業がホームページをもっているのもそういった背景があるからかもしれません。
しかし、ホームページを作成して、うまく活用できている企業は多くはありません。作ったのはいいものの、5年間ほとんどお知らせを更新するだけ。アクセスが増えることもなければ、事業に直接影響していない企業がほとんどです。
いわゆるWEB上の名刺がわりということです。仮にWEB上の名刺でも事業に全く起因していないかというと間接的に信用性につながることもあるので、無駄というわけでない可能性も存在します。
とはいえ、企業としてかけたコストがどの程度事業に影響を及ぼすかは可視化されていたほうが良いのではないかと思います。
これらの点を踏まえると、結局のところホームページを作ったら事業がどう変わるのか、売上にどう影響するのか、時間軸と成果を考えながら制作できる会社であるかは重要なポイントです。
WEB戦略の王道パターンとしては下記のものが存在します。

売上につながるまでの流れを理解し、認知から購買までのそれぞれのフェーズで各種施策を行っていきます。その中でホームページ作成・改善にどんな意図や目的を達成させるのか、いくらの予算をかけるのかを検討・提案してくれるかは非常に重要です。
ホームページ制作のみを扱っている会社からすれば、これら4つの流れを考えず、可能な限りホームページ制作に予算を使わせようとする営業マンも存在するので、注意が必要です。
WEB上の情報で見るべき点
WEB上からは制作の流れやブログ、オウンドメディアでのマーケティングの発信があるかを確認することが重要です。
制作の流れの中で、マーケティングに対する言及がしっかりと説明されているのか、ブログなどのオウンドメディアでホームページをどのように活用するのかをマーケティングノウハウと合わせて書いてあるのかということが一つの判断材料かと思います。
LICTのブログでは下記のような記事が当たります。
→SEO対策とは?集客につながるホームページのSEOを初心者向けに解説
→Webサイト改善の具体的な6つの手順|図式化した改善メソッドを公開
商談で見るべき点
商談で見るべき点は主に以下です。
- 見積書やスケジュールでのマーケティング施策の確認
- 想定流入経路の確認
- コストシミュレーションの確認
見積書やスケジュールを確認することで、どのようなマーケティング施策が入っているのかを確認することができます。
2の想定流入経路の確認では、流入経路をどこからどのくらいを想定しているのかを確認してください。あくまで想定数字ですので、予測という概念が含まれますが、マーケティングノウハウがある制作会社であれば、お話があることも多いです。
逆にヒアリング時に現在使われているメディア媒体がないかなどの確認がない場合は流入経路について考慮されていない場合があるため、注意が必要です。
3のコストシミュレーションの確認では、具体的に、いつまでにどのくらいの成果を期待できるのかというシミュレーションを確認するということです。
マーケティングに関する知見がある会社であれば、ただ作るだけではなく、いつまでにどのくらいの流入、コンバージョンが上がるのかなどの各指標をシミュレーションしてくれます。
一点注意点としてはホームページと言っても、事業始めたてにとりあえず低予算で作っておきたいとか、ブランディング目的、コーポレートの開示などの目的で作られる事もあります。
その場合は具体的な数字のシミュレーションを行うことが不可能な場合もあるため、目的によっては必要のない場合があることは覚えておいた方が良いでしょう。
また、ある程度は自社内でもマーケティングの知識がないと、上記のような対応の判断もしづらい部分が出てきます。プロフェッショナルとまではいかずとも、適切な知識を得ることでホームページ制作会社を選ぶ時に役立つことが多いです。
とりあえずWEB上の受け皿としてホームページを作成するケースでは、ホームページとして数ページを作成するべきなのか、ランディングページ1枚でスタートするのかは事業や考え方によっても変わるでしょう。
いずれにしても、ホームページを作っただけで、勝手にアクセスが集まり、売上につながることは稀です。
SNSにすでに数千人のフォロワーがいるからサイトへの流入がある程度集まるのか、広告を出稿するのか、SEOを時間をかけていくのかは決めておいた方が良いでしょう。
実績や評判
ホームページ制作会社の選び方2つ目のポイントは実績や評判です。
実績では主に以下が検討材料になるでしょう。
- 実績数
- 類似実績
- 背景情報
- 担当パート
実績数や類似実績については、わかりやすい部分かと思います。多くの実績があればそれだけ経験豊富な会社であり、多くの知識を保有していることが多いです。類似実績は自社と似た業界や成功事例などがあれば、その業界の知見や、独特の言い回し、業界の当たり前など、信頼性やコミュニケーションにいい影響を与えることが多いでしょう。
背景情報に関しては、どのような悩みや状態で制作会社に依頼したのかということです。実績情報が丁寧に書かれている制作会社では、しっかりと記載されていることが多いです。
同じような悩みを持っている事例があれば、自社の課題を解決してくれる可能性が高まります。
担当パートは少しわかりづらいですが、プロジェクト内でどのような業務を担当したのかということです。
ホームページ制作以外にも、複数の施策が絡んでいることは多々あります。またホームページ制作だけでも
- 戦略立案
- 設計
- ディレクション
- デザイン
- コーディング
- 運用
など様々な業務が発生します。場合によっては複数会社が絡んで行っている場合もあるので、どのようなパートを誰が担当したのかという点についても確認したい部分です。
会社としては、多くの類似実績があっても、実は戦略立案は別会社が行っていた、担当者は自社の担当者とは違う人が行っていたということも多く存在します。
まずは、制作会社のホームページやメディアを通して、実績を確認して、4つの項目が書いてあるのかを確認してみると良いでしょう。
また商談時には実際誰が担当するのか、WEB上の情報の信憑性や細かな点について質問することで自社の案件ではどのように対応してくれそうかということが見えてきます。
評判に関しては、ホームページ制作会社のようなBtoBの事業だとあまり多くは出てこない事もありますが、第3者がどう思っているのか、依頼してみてどうだったのかを確認することができます。
制作会社の中には、お客様の声を開示している、あるいは実績や事例に、お客様の声が記載されている場合もありますので、確認してみると良いでしょう。
注意点としては、大手の制作会社の方が実績が豊富ですが、その分費用が高い傾向にあります。実績や会社規模だけを考えると、企業によってはコストパフォーマンスの悪い会社に依頼することにつながってしまいます。費用対効果と合わせて検討すると良いでしょう。
ホームページの作成費用については、下記の記事で詳しく解説していますので、合わせてご参考ください。
→ホームページ作成費用と相場を徹底解説【悲報】僕は知らないせいで250万損しました
コミュニケーション
ホームページ制作会社の選び方3つ目のポイントはコミュニケーションです。BtoBの取引とはいえ、全てを論理的にのみ進められる人は少ないでしょう。
言葉の使い方、わかりやすく説明してくれる、共感してくれる、自社の良さを引き出してくれる。そんな担当者に依頼できれば、よりよいホームページへと繋がります。
またホームページは運用まで依頼する事も多いことから、継続的な関係にもなり得ます。
ホームページの制作を依頼するにしても、中身は自社のことです。本来自社に対して、サービスに対してより詳しいのは依頼者側で、コンテンツやデザインは社内で作るべきものだと思います。
しかし現実はそれなりの業務に日々追われていたり、制作会社だからこその知見を活かしたり、オンボーディングを行うことで、本来伝えたいサービスの魅力、自社の魅力を言語化できるものだと思います。
そんな中、、コミュニケーションを円滑に取れる担当者かどうかは非常に重要です。よくある問題として、制作会社がスケジュールを切ったが、依頼者の素材提出が遅れて、結果的にスケジュールが遅れてしまうことがあります。
この一つの原因はコミュニケーションにあると思います。
またデザインに関しては感情的なもの、頭の中にあるものを形として制作物にするわけですから、制作会社の聞き方一つで、成果物が変わってくるものです。
ホームページは制作会社側と依頼者側、双方が協力して行うことで、成功につながることが多いので、コミュニケーションを上手く取れる担当者かは非常に重要となります。
コミュニケーションに関しては、ブログなどオウンドメディアに執筆している場合は、参考にすることが可能です。
ディレクターが書いている記事があれば、参考にしてみると良いでしょう。
ほとんどのケースでは、担当してくれるディレクターと会うには、商談時あるいは契約後に会うことが多いですが、可能であれば商談時に担当ディレクターに同席してもらうようにしましょう。
契約後にやっぱり合わなかったとなっても、制作会社側が対応できない場合があるため、契約前にコミュニケーションが円滑かどうかを確かめておく方が良いです。
フリーランスに直接依頼する場合は、フロントでの対応業務から制作まで一人で行っているか、チームで行っている場合がありますので、同様に担当ディレクターかどうか確認し、コミュニケーションをとってみると良いでしょう。
具体的なコミュニケーションの点で確認するポイントは下記です。
- 返信等のレスポンスが早いか
- 丁寧でわかりやすい言葉や資料で接してくれるか
- 自社のことを話したくなる人相か
- 背景情報を意図した話し方か
- 話すだけでなく、適切にヒアリングをしてくれるか
コミュニケーションの良し悪しを言語化することは非常に難しいですが、気持ちよく話せるか、一生懸命自社の課題を解決してくれそうな姿勢かという直感を大事にしてみても良いかと思います。
ホームページ制作会社選びの注意点と失敗事例
次にホームページ制作会社選びの注意点と失敗事例についてご紹介します。これは避けましょうという点になりますので、仮に良い制作会社を選べなくても、最悪なホームページ制作会社を選ばずに済むことに繋がります。
よくある失敗として下記の問題があります。
- ホームページを作ったはいいけど、アクセスが増えない
- 見積もりの安さでお願いしたけど、クオリティの低いものが出来てしまった
- ホームページ制作会社に制作を依頼したものの、コミュニケーションコストがかかり、思ったよりも大変だった
- 説明をしっかり聞いておらず、修正回数等でもめてしまった
上記以外にもたくさんの失敗事例があります。注意点と失敗事例については下記の記事で詳しくご紹介していますので、合わせてご参考ください。
→【危険】ほとんどの会社が陥るホームページの失敗事例とその対策
ホームページ制作を依頼する前の準備
ホームページ制作会社を選ぶ際に依頼者側でもいくつか準備を進めておくことがあります。依頼する前の準備を行っておくことで、結果的に相性の良い制作会社を選ぶことにもつながるため、準備についてもご紹介します。
- 目的・目標
- ターゲット
- 予算
- スケジュール
目的・目標
ホームページ制作を依頼することで具体的にどんな課題を解決をして、どんな成果を得たいのかをあらかじめ決めておく方が良いでしょう。
商談時のヒアリング時にも必ず聞かれる質問です。主なコンバージョンポイントしてはいかがあります。
- リードの獲得
- お問い合わせ
- 予約獲得
- 商品販売
- 採用
ホームページを通してユーザーにどんなアクションを起こしてもらいたいのかはあらかじめ考えておくべきです。
ターゲット
ホームページ制作をする上で、誰にコンテンツを届けるのかは非常に重要な問題です。ターゲットが変わればサイトも変わるため、ターゲットを理解しておく必要があります。
すでに商品・サービスの実績があれば、どんなターゲットが多いのか、満足度が高いのか、高単価なのかを分析しておくと良いでしょう。
採用の場合には、現在のスタッフ、過去のスタッフからどんな社員が理想的か、会社としてここだけは抑えておきたいスタッフ像を考えておくと良いでしょう。
予算
ホームページ制作会社に依頼する前に、予算をある程度決めておきましょう。
ホームページの作成費用がどの程度なのか知りたい方は、下記の記事で詳しく解説していますので、合わせてご参考ください。
→ホームページ作成費用と相場を徹底解説【悲報】僕は知らないせいで250万損しました
→ホームページ作成をフリーランスに依頼する際の費用相場やメリット・デメリットを解説
スケジュール
最後に納期について検討しておきましょう。ホームページ制作会社は複数案件を同時に進行していることが多く、タイトなスケジュールの場合、追加費用や、品質低下の問題を引き起こす可能性があります。
可能であれば、余裕を持ったスケジュールを組み立てることをおすすめします。
スケジュールはホームページのコンテンツ量や施策によって、1ヶ月〜6ヶ月程度の幅で変わってきます。
目的に応じてどんな規模のホームページにしたいのかも合わせて検討しておきましょう。
ホームページのリニューアルに関するより詳細な情報を下記の記事でも解説していますので、合わせてご参考ください。
ホームページ制作会社を選定する具体的な流れ
ホームページ制作会社を選定するには以下の4ステップがあります。
- 要件整理
- サービス資料のダウンロード
- 相談問い合わせ
- 依頼会社の選定
ステップ1:要件整理
要件整理は先述したホームページ制作を依頼する前の準備を行いましょう。可能であればRFPと言われるホームページ制作の依頼書を作成します。
目的やどんなコンテンツを作りたいのかなど、可能な限り決めておくと良いでしょう。RFPの作成は細かな点が多く難しかったり、面倒臭いことがありますが、少なくともホームページを通してユーザーにどんなアクションをとってもらいたいのかは明確にしておきましょう。
ステップ2:サービス資料のダウンロード
要件整理が終わったら、良さそうな制作会社のサービス資料をダウンロードしてみましょう。多くの会社で配布していますので、気になった会社を複数会社ダウンロードして、比較してみましょう。
サービス資料には、会社情報、実績、強み、料金など詳細な情報が書かれていることが多いので、まずはダウンロードして検討してみると良いでしょう。
ステップ3:相談問い合わせ
サービス資料をダウンロードした中から、良さそうな会社があれば、相談の問い合わせを行ってみましょう。
相談問い合わせも複数会社にすると良いでしょう。
概算見積書やスケジュールなど、本記事で記載されている内容に注意しながら選定作業を進めましょう。
LICTのWebサイト制作のサービス資料については下記からダウンロードいただけます。
ステップ4:依頼会社の選定
最後に依頼会社を選定します。実績、費用、実現可能性、プロジェクトメンバー、スケジュールなどを総合的に判断し、選定しましょう。
まとめ
ホームページ制作会社の選び方は難しいと感じることや、面倒臭いと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
ホームページはWEBマーケティングの柱でもあり、その他のWEBマーケティング施策と関係する重要なツールとなるため、仕方のないことでもあります。
そのため、少なくとも本記事に記載のポイントを抑えていただけると、適切な選定、失敗しない選定につながるかと思います。ぜひお役立てください。