2025年の振り返り(第5期を終えて)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

本年も、組織としての成長を大きく実感する一年となりました。特に、経営者としての自身の考え方のみならず、会社の業績もようやく力強く前進し始めたと実感しています。

近年、インフレの進行、人件費・光熱費の高騰に加え、人材不足、集客・スタッフ教育の困難さ、そして企業理念の浸透・構築など、飲食店経営を取り巻く課題は山積しています。本稿では、これらの課題に対し、第5期にどのような施策を講じ、どのような成果、そして新たな課題が得られたのかを具体的に振り返りながらご紹介します。

特にもっと仕事を頑張っていきたい人、家族を持ちながらどんな立ち回りをしていけばいいのかと悩んでいる人、飲食店に携わる全ての人々にとって一つでも参考になれば幸いです。

LICT第5期の総評と感謝

株式会社LICTを創立してから5年が経過しました。第5期の総評を10点満点で表現するなら7点くらいです。

この点数をつけた大きな理由としては下記の3つです。

  • 利益の増加
  • 求人数の増加
  • 方向性の確立

これら3つの理由に関しての詳細は後述しますが、一旦合格点と捉えています。

基本的には経営に重要な利益、採用、文化作りはどれも一定躍進することができたと感じています。特に、前期からの最重要課題であった売上の向上については、**前年比112%**を達成しました。これは、私たちが実行してきた施策と数字が目に見える形で結実した、大きな成果であると捉えています。

飲食店経営を行う上で、売上を一定以上あげることは至上命題です。その重要指標が大きく成長できたことは、私たちが行ってきたことがお客様に必要とされている、満足していただいた方が増えているという証拠だと思っています。

まずはじめに、そんな会社経営を5期も支えてくれたスタッフ、関係者、お客様に心より感謝申し上げます。6期も引き続き、従業員が働きたくなる会社、満足度の高い働き方、お客様に感謝され、必要とされるお店作りに励んでまいりたいと思います。

集客施策の振り返り

ここからは具体的に行ってきたことと成果、反応などを書いていこうと思います。まずは集客施策についてまとめておきます。

広告・広報戦略

第5期に行った集客施策として、広告や外観の改善にそれなりにコストを投じてきました。これまで開店時の初期コストを抑えて経営を進めてきてしまった結果、路面店にもかかわらず機会損失をしていた自負がありました。少しづつお客様の求めていることをリサーチした結果をもとに、広告、広報に力を入れた年となりました。前期の振り返りの記事でも書きましたが、5期の初め頃に「らーめんいちぶ」は「背脂らーめんのお店」という位置付けを進めていきたいと思い、改善を進めてきました。具体的には下記の施策を行いました。

ファサード(正面外観)の垂れ幕

第5期初頭にファサードへ垂れ幕を設置した際、すでにその効果に手応えを感じていたため、さらにもう一枚の垂れ幕を追加し、当店のコンセプトをより明確に打ち出しました。この施策は極めて大きな反響をもたらし、客足が徐々に増加。第5期終了時点では、前期比30%以上の売上向上に貢献するという、目覚ましい結果となりました。

Google広告

第5期はWEB広告にも注力しようと思い、Google広告を開始しました。基本的にはP-Maxを活用し、Googleビジネスプロフィールと連携して運用を行っています。自動で最適化されていくため非常に簡単に始めることができます。

本来であれば、検索広告と合わせて広告を回していく方が結果が良くなる傾向にあるとされていますが、広告予算も数万円ですので、一旦はP-Maxのみで運用を続けています。

経路としては「Google広告 $\rightarrow$ 店舗LP $\rightarrow$ LINE登録 $\rightarrow$ 来店」という購買経路を目指し、運用しています。コンバージョン地点はLINE登録ボタンのクリックで計測しているため、正確な来店までを計測することは難しいですが、国道沿いのロードサイド店舗を主に展開しているため、街への来訪者には効果があるのではないかと分析しています。

また、LINE登録は中間指標の一つに過ぎず、実際には広告からLPを閲覧し、そのまま来店に至るケースも少なくないと考えられます。この点、総合的な売上データの伸びから見ても、Google広告は一定の効果をもたらしたと判断しています。

田舎の店舗ビジネスではMeta広告の方が注目されがちですが、Google広告も、どのようなお客様にアプローチするのかということが明確であれば、効果的なケースも多く存在します。弊社の店舗の場合は、効果的なキーワードで検索ボリュームがあることや、路面店であること、インターが近いことなど、検索しているユーザーの購買体験を考えた時に、Google広告を実施する価値がありそうだということで実施に至りました。

今後も一定の予算を使いつつ、運用を進めていくつもりです。

Meta広告(旧Facebook/Instagram広告)

第5期はMeta広告も実施しました。検索対策とは違って、まだ店舗を知らない方や、認知はしていたがどんなお店かわからないという方に向けて来店のきっかけを持っていただくために実施しています。

とりあえずは月数万円で一定の設定を行い、垂れ流し配信を行っていますが、それなりの効果は見込めています。予算が少ないために、そこまで多くのクリエイティブ、広告改善は行っていません。Meta広告に関しては、改善要素が多くありますが、一旦は来店にもつながっているお客様が多くいらっしゃるようです。費用対効果が合うかというと、基本的に1回の来店でもとが取れることはほとんどないので、2回目、3回目の来店に繋げるかも重要な要素としてあります。現状では静止画バナーだけなので、リール動画等を作りながら、広告クリエイティブは改善を測っていきたいと思っています。

店舗ビジネスでは、Google広告は予算のアッパーがわかりやすいですが、Meta広告はある程度広く出せる可能性を秘めているので、今後は力を入れて改善を測るべき施策だと感じています。

Instagram PR

今年はInstagramのリール動画の作成を再開し、同時に地元のグルメ系アカウントにPRを依頼する施策も実施してみました。

これもまだテスト段階ではあるものの、複数人の方にご協力をいただいたことと、優良なアカウントや、意図と異なる結果となったケースなど、様々なインスタグラマーとの連携経験を通じて、非常に多くの学びを得られました。特段、限定のクーポン等をつけていないので、計測することは出来ていませんが、今までリーチすることが出来なかった層に向けてリーチできたこととインプレッションにはそれなりに貢献できたので、予算次第では今後も活用していけそうだと感じています。

PDCAを回しながら、どんな人にどんな形で依頼するのか、どこをコンバージョンポイントとして設定するのかの基準を決めていきたいと思います。

看板とスポットライト

最後の集客施策としては、外観の看板とスポットライトを追加したことです。

Before

After

この施策に関しては補助金を活用して設置しました。6期に入り早々に行ったため、まだ効果ははっきりとはわかりませんが、昨年の同月比、同日比でみても売上の向上が見られるため、今後も少しづつ効果を発揮していくのではないかと思います。

特に土日など休日は、通りが多くなるせいか、売上増加を顕著に感じています。ちなみに今回の看板とスポットライトに関しては、自身でデザインを手掛け、看板制作や、ライトなどの設置は業者にお任せしました。

自身であらゆるラーメン店・飲食店の外観、明るさ、具体的なサイズ、看板デザイン、ライトの間隔を調査し、実施しました。当然プロのデザイナーに頼むことでもっとかっこいいものが作れる可能性はあったと思いますが、予算の関係ももちろん、自社にナレッジがたまったことは非常に価値あることだと思っています。

ちなみに設置した後に、オリジナルの筆文字デザインを格安で依頼できるサービスもあることに気づいてしまったのはあしからず。店内デザインにも活用できそうであれば生かしていきたいと思います。

初期投資として100万円弱のコストを要しましたが、これは約1年での回収を見込んで設置しています。 6期には大きく貢献してくれると思っていますので、6期の振り返りが楽しみです。

QSC改善への取り組み

次にQSC改善で行ってきた施策をご紹介します。既存店経営において最も重要な要素は、QSC(クオリティ、サービス、クレンリネス)を継続的に改善し続けることだと考えています。今年も少しづつ改善を計りました。

Q(クオリティ)の向上

クオリティを向上させるために、今年は下記のことを行いました。

  • 既存メニューの改善
  • 新メニューの開発・販売

既存メニューに関しては

  • スープの温度管理
  • トッピング量の適正値を数値化
  • 味の見直し・改善

を行いました。特にオペレーションの教育を進めていくにあたり、数値化されていないものを数値化することで、いつでも基準を確認しながら業務を進めていくことができるようになったのは非常に良かったと思っています。これにより、クオリティの担保につながります。

味の見直しも行いました。醤油ダレのバランスは今が最適なのか、野菜の量はこれが最適なのかなど細かな部分を見直し改善を進めました。よく変わらない味がいいと言われますが、私はどんどん美味しく変わっていくべきだと感じます。実際大きなチェーン店でも常に味の改良はされていると言われています。お客様自身も変わっていないと思っていても実は改良されているということも起こっています。大きく味を変えることはほとんどありませんが、少しづつ変化、成長し続けていくことこそいつまでも愛され続けるお店だと思っています。

また最も重要なことは、既存の人気メニュー、売り商品をさらにブラッシュアップできないか、マイナス要素がないかということを確認、改善していくことだと思っています。今年はマイナス要素をできるだけ、改善した年となりました。6期はさらに見た目を美味しそうにできないか、素材の質にこだわれないかということを追求していきたいと考えています。

S(サービス)・C(クレンリネス)の改善

サービスとクレンリネスについては、ユーザー体験として通ずる部分が多いので、一つにまとめてご紹介します。具体的に行った施策は下記です。

  • 接客教育の改善
  • 食券メニューの改善
  • 掃除における細かな声掛け

接客教育の改善では、主に、考え方、オペレーションの徹底を行ってきました。これまでは業務を覚えて、とりあえずできればOKというスタッフが多かった印象ですが、さらによいサービスをお届けするために、基礎となる考え方、気遣いの具体的なアクションなど先輩が自然と行っていることを出来るだけ、言葉に起こして伝えてきました。まだはっきりと効果が見られているのかは疑問ですが、今後も最も重要な基礎となる考え、接客の重要な部分は磨きをかけて伝えていき、アルバイトスタッフも含め、全ての従業員が気持ち良く、高い水準の気遣いができるサービスを提供できる店舗へと成長させていきたいと考えております。

食券メニューの改善に関しては、マーケティング要素も入ってきますが、わかりやすいメニュー表へと改善を計りました。一旦は手書きになってしまっているメニューもまだ現状はありますが、しっかりとデザインを施し、みやすいレイアウト、頼みやすい配置、押しやすいボタンを目指してさらにブラッシュアップを図っていきたいと思います。食券メニューに関しては、既存のメニューとの兼ね合いもあるので、今後も商品開発やブラッシュアップを行うごとに最適化を図っていきたいと考えています。

掃除に関する細かな声掛けに関しては、これまではお客様から見える部分を中心に行ってきましたが、働きやすさや気持ち良さ、衛生管理を考えて、細かな声掛けと実践を行ってきました。6期に入って早々に、厨房機器も入れ替えを測るなど、仕組みとして綺麗を保とうと思えるか、使いやすいかということにも力を入れました。ラーメン屋は湿度が高くなることや中華鍋による油の飛び散りも多く起こる業界です。いかに清潔さを保てるか、常日頃から綺麗な状態が当たり前と思えるかを意識できるよう教育を進めていきたいところです。

人事戦略の展開(採用・教育・評価)

次は人事に関する振り返りです。人事は採用、教育、評価という3つの要素で構成されています。

採用活動

まずは採用に関してです。まずはこれまでと比べて今年の採用はどうだったのかということをお伝えします。

3期4期5期
アルバイト応募数171222
アルバイト採用数8613
社員応募数103
社員採用数002
アルバイト離職数433
社員離職数101

ご覧の通り、応募総数としては非常に成長する年となりました。理由は明確で、採用するにあたり、Indeedを確実に運用してきたことです。去年まではengageやオフラインでの施策を行ってきましたが、現代において、やはりIndeedは採用の王様的媒体です。ここに注力することで応募数が伸びた年となりました。また採用に関しては広告費も少ないですが、投下しました。それではもう少し深掘りしてみます。

Indeed

まずは冒頭でも話したIndeedですが、以前から効果のある媒体だとはわかっていたものの、度重なるルール改定や無料求人は更新をしていかなければならないなど、運用の煩わしさがあったので、engageに逃げていた部分はあったのですが、engageから来る応募者のほとんどがIndeedだったということもあり、Indeedに力を入れていくことを決断しました。

また求人の原稿作成は外注で依頼することで、文面の作り方や、Indeedの仕組みなどもレクチャーいただけたことは非常に良かったと思います。本当であれば、運用を一切合切外注依頼することで、さらに応募数は伸ばせることもできたのでしょうが、現在の応募状況で弊社の成長速度とちょうど良いくらいにはきているので、一旦はこのまま進めていく予定です。

組織の成長に伴い、採用は極めて重要な経営課題となります。必要な人材を確保できなければ、売上機会の損失を招くだけでなく、既存スタッフの疲弊や離職率の上昇にも直結します。したがって、私たちはこの採用を売上に次ぐ最重要課題と位置づけ、今後も継続して注力していく方針です。

Indeedでは2店舗6求人をデフォルトの形で無料求人を運用しながら、必要な時には広告費をかけて勢いをかける体制で行っています。ちなみに今年はほとんど無料求人からの応募です。広告をかけたことでの採用は社員が1名で応募いただいたので適切なタイミングでかけられたと思っています。

Airwork

途中からAirworkの活用も行いました。Indeedは今年からリクルートが関わったことから、Indeedとの関連性が高まり、特に広告においてはこれまでにない成果がだせている企業が多いようです。弊社もAirworkにも求人を投稿し、運用を図った結果、一定程度応募がきています。これに関してはIndeedが優秀なのかAirworkが優秀なのかはわかりませんが、今後の採用広告についても視野に入れているので、同時運用を行っていきたいと考えています。

Indeedと比べて管理画面は多少使いやすい部分もありますが、分析することがほとんどできない仕様になっています。その点改善を図ることは無料では難しい印象ですが、一旦はIndeedとの同時運用で様子をみていきたいと思っています。

採用サイト

今年は採用サイトも改善し、動画を挿入し、コンテンツやデザインを改善しました。まだまだコンテンツ量は足りないので、YouTubeの自社チャンネルなどでコンテンツは増やしていきたいところです。採用サイトの効果検証は非常に難しいものがありますが、求職者やすでに面接をした方、内定を出した方など、自社を知ってもらうことにも活用しています。

ほとんどの採用サイトは採用の応募数を上げることは難しいでしょう。あくまで採用の質を向上させる、離職数を減らす、内定辞退率を減らすなどに目を向けて、これからも運用を進めていきます。

教育への注力

次は教育に関してです。今年は非常に教育にも力をいれました。今年の大きな成果としては、私だけでなく、スタッフが少しづつ教育の重要性や、実感を感じていたことです。

規模が大きくなれば、経営者は現場から離れることも多くなります。その際に、組織が崩壊しないよう、さらに強くなれるよう、スタッフへ教育の重要性を訴えていくことも重要だと捉えています。業務スキルにかかわらず、やりがいや適切なコミュニケーションの環境づくりなどにも伝えるようにしてきました。

従業員の能力向上

教育に関する1つ目は能力の向上です。具体的には接客スキルや調理スキル、その他細かいことへの気配りです。

今年はアルバイトの能力向上に力を入れて進めていきました。具体的には麺茹でやチャーハン作り、仕込みなどをこれまでよりも多くのスタッフができるように整備、教育を進めました。これまでは数少ないスタッフのみができるような環境でしたが、社員の休みを取りやすくしたい、アルバイトでも活躍できる環境を整備したいという流れから教育を進めています。

飲食店は、スタッフの多くがアルバイトである業界です。そんなアルバイト達が輝ける会社こそ、顧客満足度も従業員満足度も高まることにつながるのではないかと思っています。現に、都会のスタートアップやチェーン店などは店長がいなくても店を運営している、アルバイトだけでも運営している、アルバイトが店長であるなどの店舗が多く存在しています。私たちの店舗は田舎ですし、規模もまだまだ小さい点では全く違う状況ではありますが、これから成長していく未来を見据えているので、『私たちでもできる』と信じて進めていくつもりです。

実際に今年の成果としては、アルバイトだけで店を回す日を作れたこと、チャーハンや麺茹でなど調理業務の各となる業務を行えるスタッフが過去一多く在籍していることです。

社員への教育としては、部下への教育と環境づくり、経営能力などを教育してきました。具体的には、どうしたらもっとわかりやすく覚えやすい形で部下が実行に移せるようになるのか、オペレーションはどう変えたら誰でもできるスタイルになるのかを考えて実行してもらいました。経営に関しては、主にマーケティングや会社づくり全体のことを教育しています。SNS運用や数字管理など、目標をもち、実行と改善を行ってもらっています。今年からより経営における数字を共有し、どの数字をどう伸ばしていきたいのか、そのために今年は何をするのかという戦略を伝えています。その戦略をもとに、戦術を協議し、実行までを担当してくれています。

このように経営者は管理者へ、管理者は部下へという流れを形成し、それぞれの立場のスタッフがともに成長していける環境づくりを始めています。

教育における仕組み化の推進

経営者が取り組むべきは、個々のスタッフのやる気や能力だけに依存せず、仕組みによって課題を解決していくことです。特に、働く年齢層や周期が幅広く、アルバイトスタッフの比率が高い飲食業界においては、仕組みによる業務改善は必須であると認識しています。

今年具体的に行ったことは、

  • 調理のオペレーションの改善
  • 売り上げデータ表の改善
  • 採用フローの定型化
  • 定例の店長会議

1つ目の調理のオペレーションの改善に関しては、クオリティーのブレや、誰でもミスをしづらい方法に改善を勧めました。

2つ目の売り上げデータ表の改善に関しては、過去データとの比較を見やすい形として、去年の同月比とどのぐらい乖離があるのかをわかりやすくしました。もともとは、単純にデータの比較のしやすさを求めて行いましたが、結果的には、スタッフが見れることで、目標の数字に届かなそうなどの心理的な手助けをすることに役立ちました。

3つ目の採用フローの定型化に関しては、これまでスタッフがアルバイト採用の面接をする際に、わかりづらかった点や、具体的な流れ、各タスクの意味などを理解することに役立ち、従業員でも採用面接の質を高められるような仕組みにしました。現段階でははっきりとした成果は得られていませんが、今後も担当が変わっても使っていける1つのマニュアルとしてブラッシュアップをかけつつ運用を進めていきたいと考えています。

4つ目は定例での店長会議を設けたことです。これにより、毎回のミーティング時に課題や現状を理解し、その対応タスクを期限を決めて取り組めるようになりました。

どんなタスクでも誰が何をいつまでにやるのかが明確でないとなかなか動いていきません。そこをしっかりと定義し進んでいけたのでこれからも続けていく重要な仕組みとなりました。

理念の再構築と浸透

教育に関する3つ目は理念の構築です。これまでも理念シートとして策定していましたが、内容が散漫としており、社員への浸透度が低いという課題がありました。また会社のフェーズが少しずつ変わってきたことによって、改めて現在のビジョンはどうしていくのかと言うことを考え直しました。これまでの理念は、当然参考にしつつ、新たに付け加えた項目やより理解しやすい言葉に改善し、運用を進めていくつもりです。

理念の浸透は、いかに自然にスタッフが覚えられるようにするか、自分事として捉えられるかと言うことを重要視し、これからも改善を進めていくつもりです。当然経営者や上司が部下へ伝えていくと言うことも重要ですが、スタッフそれぞれが自然と感じられるよう、仕組みで改善を進めていきたいと思います。

その他の取り組みや出来事

今年行ってきたその他の取り組みや出来事に関しても、綴っておこうと思います。

産休・育休の取得

今年は福利厚生の初めての出来事として、産休・育休を取る社員が現れました。こういった出来事は企業としては大変なことが多い印象ですが、同時に企業が成長していることを感じられる出来事でもあります。会社側の知識も深まり、今後女性が働きやすい環境を整える上では重要な経験となりました。

補助金、助成金活用

2つ目は補助金、助成金の活用です。これに関しては、かねてより積極的に活用してきましたが、これまでの経験があった分、円滑に進めることができました。具体的に報告、入金があるのは6期に入ってからにはなりましたが、効果的に使うことで私たちのような小さな企業でも少しづつ、改善していける力強い援助だと感じています。

必要書類や環境整備など当然大変な作業もありますが、補助金を活用することで前向きな投資ができることは非常に大きいです。今年活用した補助金、助成金に関しては、業務改善助成金と町の補助金です。業務改善助成金は、オペレーションコストを改善するために、主に厨房機器の導入に活用しました。町の補助金に関しては外観の看板やライト等の設置のために活用しました。どちらもそれなりのコストがかかる施策となりましたが、前向きな投資に活用できた点は今後に確実にメリットとして生まれてくるでしょう。

来期に関しては、今年の活用と合わせて、設備導入補助金やキャリアアップ助成金なんかも視野に入れながら活用していく予定です。

電気工事士2種免許取得

3つ目は少し個人的なことになりますが、電気工事士2種免許を取得しました。もともとちょっとした店舗の電気工事を自分たちの手で行えればと思っていましたので、これを機に小回りが効く体制となりました。

現状は蛍光灯をLEDに取り変える程度の軽微な電気工事ですが、今後も一生使えるので楽しみです。また意図していない部分としては電気工事の知識が高まった分、危険性や厨房機器、電気料金にも関心を深く持てたことです。この辺は飲食店経営を行っていく上でも重要な知識の一つかと思いますので、思わぬ産物となりました。

メディア露出と反響

4つ目は、弊社が経営する「らーめんいちぶ」に、**魚沼市出身の有名人である「おばたのお兄さん」**がご来店くださったことです。以前より一般のお客様としてご利用いただいていましたが、本年、ご自身のYouTubeチャンネルに当店を紹介する動画を投稿していただき、非常に大きな反響を得ることができました。

こちらとして意図的に行ったことではなく、偶然ではありますが、確実に店舗の後押しとなってくれたことは非常にありがたい出来事でした。

第6期の目標と未来について

第5期を終えた現在の弊社は、飲食店2店舗を経営し、少々ながらも着実に黒字を計上している状況です。コロナの急落からようやく上昇傾向を捉えた私たちがどのような未来を目指しているのかをご紹介します。

定量的目標

私たちは今年、新たに長期的な目標を掲げました。具体的には10年後までに売上5億、店舗数10店舗を目指して活動していきます。詳細は非公開ですが、この目標を達成するために少しづつ規模拡大を目指します。結果、企業のビジョン達成を目指します。

そんな長期目標をもとに来期は、売上の向上、利益の向上、顧客満足度の向上、従業員満足度向上を目指します。

6期は基本的に既存店の向上を目指して活用していく予定となっています。すでに6期目標を達成するための仕込みは進んでおり、現在では2ヶ月が経過したところで順調に進捗しています。

定性的目標

定性的な目標としては、理念浸透を加速させ、株式会社LICTの色を濃くしていくことです。あらゆる意思決定が理念をもとに決断され、それに伴う採用、教育、データ化、経営計画など文化作りを進めていきます。

あらゆる意思決定に妥協はなかったか、目指す姿に近づいているかをスタッフ一人一人に浸透を進めます。当然、文化作りが1年で完結することはありません。しかし、一歩一歩進めなければビジョン達成に届くこともないでしょう。まずは6期が終わった段階で、スタッフ全員が目指すべき方向性を理解している状態を目指します。

その他細かなところでは、評価制度の前身として位置付ける、スタッフの戦闘力シートや仕込み管理表、在庫管理表などオペレーションをさらに体系化し、スタッフそれぞれがあらゆる業務を行える体制へと変化していくつもりです。

雑談

最後に少し雑談です。私自身は妻子がありながら経営をしています。私の経営と家族はほぼ同時期から始まって、10年以上が経ちました。仕事をしていると、もう少し若ければ、1人身で自身の金がかからなければ、使える時間的余裕がもっとあればと思ったことも多々ありました。

とはいえ、タラレバを言っても意味がありません。その状況下でどう前に進んでいけるかを考え右往左往しなければいけません。雑談では家族がいながらもどうやって仕事を頑張っていくのか、収入をあげていくのかという話題を書いていこうと思います。

結論から言えば、家族に理解してもらい、業務時間外の時間をフル活用することです。正直独り身の人と比べたらハードモードでしょう。家族との時間を尊重しながら、気を遣いながら、それでもなお、人より努力して成果を挙げていくことは簡単なことではないと思います。ですが無理なことでもありません。

そもそも社会人になって、勉強する人は5%以下です。時間外に勉強する時点で優秀なビジネスマンかもしれません。でもそれだけではダメで、具体的な成果、人の役に立つこと、組織の文化を踏襲して活動することが重要です。

大人になっても人間の欲望はほとんど変わりません。人から褒められたいし、憎まれ役になることも嫌でしょう。でも組織で動いていく、人の役に立つために時折、欲望とは逆のことが起こります。

それを乗り越えて、成果を上げる、人の役に立つことが重要だと考えます。そうすれば結果的に収入があがる、出世する、仕事をもらえるということにつながってきます。

家族がいることで、制約を受ける時間は増えます。そのため人より寝る時間を減らすか、効率的に勉強、仕事をしなければなりません。それか家族に理解してもらい、仕事に打ち込める時間を確保することです。

理解してもらうには、熱意と姿しかないと思います。ただ一度話をするだけでは人間の心はなかなか動きません。夜な夜な一生懸命勉強している、仕事をしている姿、必ず良い方向へ進むという熱意を時折話す。これを繰り返すことでしか理解してもらえることはないでしょう。

もし、家族を持ちながらもっと収入をあげていきたい、自由な時間を増やしたいと思っている方は、かなり抽象的なことですが本質的なことだと思うので、参考にしてもらればと思います。

私自身、大した生活は送ってないですが、収入は倍以上になり、家族と過ごせる時間も増えました。まだまだ私も先を見つめていますが、きっと私も関わる人たちも良い方向へと変化していくと信じています。

2026年も良い年にしていきます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。