実現性を加味した零細企業の優先順位の付け方

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仕事をやっていると何から手をつけて作業をこなしていくべきかを考える場面は毎日のように起こっているのではないだろうか。

またそれらを部下にやらせるという時にコミュニケーションなどの新たなタスクが生まれることもある。

仕事の優先順位でよく言われるのは重要度と緊急性についての話だが、中小企業などの零細企業ではやりたくてもやり方がわからないことや重要度が高く緊急性も高いのに予算がないために代替案を考えなければいけないということも多々出てくるのではないだろうか。

以前私が経験したことを元に実現性を加味して仕事の優先順位を考えるきっかけにしてもらえればと思う。

よく言われる優先順位

この手の記事でよく見かけるのは重要度と緊急性に対して4つに分類して考えることだろう。

具体的には以下のような図だ。

これは図の通りで

重要度が高く、緊急性が高いものが最優先

次に重要度が低いが緊急性が高いものが優先

次に重要度が高く緊急性の低いもの

という順番である。

最後の重要度も緊急性も低いものは基本的には直近のタスクからは除外しておくべきものだという考えだ。

これは非常に理にかなっている気がするし、なおかつ実際の現場でもこれはとても役に立つ教訓である気もする。

しかし、実際にはこれを知りつつもできないこともあるだろう。

例えば、重要度も高く、緊急性も高いと判断した、売上を直近で上げるために集客しなければいけないという場面があったとする。

この時、集客することがあなたは出来るだろうか。

すでにメールアドレスかLINEなど既存客や見込み顧客のリスト化を行えているのであれば、その層に対してセールスを行うことで緊急性に対応できるかもしれない。

しかし、リスト化できていない企業であればどうだろう。またそのリストが思うような売上をあげることができないようなリストであったらどうだろう。

もしリスト化できていない代替案としてはweb広告などの案も出てくるかもしれない。

しかし広告を出せる人間が社内にいるだろうか。いない場合、広告代理店に委託するほどの財源はあるのだろうか。

このように実は重要度や緊急性の分析をしたところで実際にできることと出来ないことというものが存在するというのは小企業ではごくごく当たり前だと思っている。

だからこそ巷で言われている一般的な分析だけでは対応しきれないわけだ。

そもそも重要度が抽象的な表現である

そもそもの話として重要度という言葉が非常に抽象的であることはお気づきの方も多いのではないかと思う。

重要といっても会社の利益に関することなのか

上司や役員の人間関係に関することなのか

自分のポジションに関することなのか

重要というのは何をもって判断するべきなのかを迷うことがあるのではないかと思う。

例えば、上司にこれを今日中にやっておけと言われた人からすれば、緊急性は高くなることはわかると思うが、その仕事が会社にとって重要なことなのか、上司にとって重要なことなのか、それに付随している自分にとって重要なことなのかは自分で考えなければいけないことだろう。

さらにいえば、会社にとってさほど重要だとは思わない業務を早急にやれと指示された場合、それは会社にとっては重要度は低いが、上司にとっては重要なことという場面も多く発生ていることだろう。

もちろんこれは部下が無能で上司の意向を汲み取れるかということにも関わってくるが、上司が有能であるかもほとんどの会社の場合、疑問に感じる場面はあるだろう。

このように重要度という言葉が非常に抽象的であり、それに基づいて優先順位を決めるということはそんなに簡単なものではないのだ。

会社の仕事を分解して考える

では優先順位を決める時にどうすればいいのかということについて、まずは会社の業務を分解して考えてみると見えてくるものがあるではないかと思う。

というのも狭い視野で考えるよりもまずは全体を俯瞰してみた上で、それぞれの要素の役割が見えてくるからだ。

まずは業務を分解して書き出してみよう。一般的な枠としては以下のような業務があるのではないだろうか。

戦略

  • 調査
  • 分析
  • 設計
  • チーム管理
  • スケジュール

商品開発

  • 試作
  • 原価計算
  • 仕入れ先選定
  • モニターテスト

集客

  • インバウンドマーケティング
  • 営業
  • 広告
  • デザイン
  • 紙媒体の配布
  • SNS
  • 会食

会計

  • 請求書・納品書発行
  • 帳簿付け
  • 会計管理
  • 労務管理
  • コスト管理

人事

  • 採用
  • マネジメント

その他

  • 清掃
  • 仕込み
  • 買い出し
  • 仕入
  • 配送

そもそもこのように業務を書き出すことができなければ、まずはこのように社内の業務を洗い出してみるといい。

というのもこのように業務を書き出すことによって、そもそも利益につながる業務なのかということが見えてくるからである。

さて、勘のいい方であれば、これらを洗い出した時に直接的に利益に関わるのはやはり集客と会計からみるコスト削減であるということを認識できたのではないだろうか。

というのもビジネスの大原則は次の式であることは自明だからだ。

売上-経費=利益

つまり、利益をあげるためには売上をあげるか、経費を削減するかの2つの方法しかないわけだ。

だからこそ、会社の利益を考えた時には集客か会計を分析し、コストを削減できないかを模索し実行することである。

これらの知識を持っておくだけだけでも、あなたが部下に仕事を頼むとき、あるいは上司から仕事を頼まれるときに説得や認識理解をするのに役立つのではないだろうか。

零細企業の優先順位は常に集客が一番である

では零細企業ではどうしたらいいのかということに関しての一つの私なりの結論がある。それは、常に優先順位の一番は集客であるということだ。

というのもそれはお金で解決できることがほとんどだからだ。

よく言われる人、もの、金、影響力、など零細企業がほとんど持ち合わせていないもののことを言われているが、これは金でほとんど解決できる。

人がいなくても金があれば、求人募集に予算を使えるし外注することもできる、ものはもちろん金で買える、影響力がなくても広告にお金を払えば集客することが出来るし、広告代理店に外注することもできるだろう。

もちろん会計なんかも人にお願いすることが出来るので、あまり心配する必要はないだろう。

このように企業が潤ってさえいれば大抵のことが解決できることは経営者の方であれば、簡単にわかるだろう。

であるにもかかわらず、集客することを優先順位のトップに上げていないというのはおかしな話な気がしている。

その日1日の優先順位であれば、既存顧客の対応やそれに付随するバックオフィス業務はもちろん入ってくることだが、それにしても常に頭にあり、時間さえあればやることというのは集客である。

人員が少ないのであれば、全員が集客に取り組むべきだとも考える。

ある程度の知識なんかは教育しなければいけないことだが、集客に関係する業務をすることは誰にでも出来るだろう。

チラシ配りでもいい。営業に出向くことでもいい。毎日インスタグラムで投稿することでもいいし、メールを送ったり、人の投稿に反応することでもいいだろう。

小さな会社こそ限られた人員で集客をすることにより、売上を最大化出来ると思う。

ここで言いたいのは集客に時間を割くためにそれ以外の作業をするということである。直近の優先順位としては既存顧客がいるということもあり、緊急性の高い業務はあるかもしれないが、それらをこなしつつ、集客に労力を割くためにタスクを素早くこなすことあるいは仕組み化を取り入れていく必要があるだろう。

現在時間があるのであれば、集客する行動をあげてみよう。

忙しいばかりで利益がついてきてないのであれば、仕組み化をしたり、業務を素早くこなす方法を考えてみよう。

優先順位は毎日変わっていくものだが、それらは自らの頭で考えながら取り組むべきだ。

そこで考えることは以下のようにまとめた。

  • 会社の利益の緊急性はどの程度か
  • 今行っているタスク、あるいはこれから行おうとしているタスクが会社の利益にどのように関係するのか
  • 利益につながる行動が今の方法であっているのか
  • 誰にとって重要なタスクか

この辺を考えて重要度と緊急性を考慮した優先順位を行動に変えていこう。

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